レンアイ性依存志向

しっとにくるうベースのセッションこうげきだ!

彼女が余所余所しいんだが……

本当に自分のことを好きなのか? ってなるのは束縛男の悪い癖……とは知りつつ、ラインをまったくくれなかったり、今日会う予定だったのに「やっぱりやめる」と言い出したり………

 

なに?

 

なんかした? となってしまうのは俺が悪いのだろうか……

きにしなければいいんでしょうけどね……

依存はつらいよ

相手から連絡がないだけでゴリゴリHPが減っていく……

恋愛で優位に立てなさすぎるクソ雑魚です。こんばんは。

 

返信が遅かったりこっちからラインしないと来なかったり、それだけでダメージを受けちゃうのなんなの? JKなの?

 

抑えていこうなそういうとこ………と自分に言い聞かせて既読のつかないスマホを消灯して寝ます。おやすみなさい。

もう恋なんかするなっつってんだろ!

この世には、「恋愛すると人が変わったようになる」人間が存在する。

いや、どうか存在してほしい。そんな人間が俺一人ではないと言ってほしい。

 

具体的には病的なレベルで相手のことしか考えられなくなり、相手がなにをしているのか異常に気になってしまう人間だ。

繰り返すが、病的なレベルで、異常に、である。

 

彼女が一緒にいないということが耐えきれず、想像の翼が羽ばたき、想像上の事象を心配し、嫉妬心に狂ってしまう。

これは苦しい。非常に苦しい。

そしてそれをなにかの拍子で表に出せば、当然だが彼女も苦しませてしまう。よくない。これは良くない。

良くないけどやってしまうのだ。

 

思えば高校生の頃の恋愛もそうだった。男友達が多い彼女だったために、俺は常に嫉妬に狂っていた。そして恐怖した彼女に別れを告げられた。

大学の頃も同じだ。まったく同じ原因で振られ、俺はようやく自分が「そういう人間」なのだと理解した。

そして分かった。

「そういう人間」は恋などしない方が良いのだ。相手を束縛してしまい、そしてなにより自分が苦しい。

 

そんなわけで、恋とか男女などとは無縁の生活が数年続いた。

マジでなにもない生活だった。わずかな数の友人と一緒にオンラインゲームをする以外、ほとんど孤独な生活だった。

異性は恋しかったし、性欲はばりばりあったのが苦しかったが、そもそも出会いがなにもなかった。なにもなさすぎて、手が滑って出家したのかと思った。

 

しかし、これでいいとも思っていた。

こうすれば、嫉妬に狂うこともなく、別れの異常なまでの辛さを感じることもない。「ぜったいあんぜんカプセル」みたいなものだ。

 

だが。

唐突に、俺のことを好きだという人が出てきた。

 

ネットで十年くらい前から知り合いだった子だった。まったく意味が分からなかった。

分からないが、俺のことが好きだと言う。

 

俺は返事を保留にした。

なにせ俺はその子を別に恋愛的に好きではなかったし、なかったのだが、俺は元々、好意を向けられて初めて人を好きになれるタイプだし、なにより、もう、孤独な生活にもいい加減うんざりしていた。

 

保留にしたが、日に日に彼女は俺に「答え」を要求するようになった。

そんな日々の中で、彼女の恋愛遍歴を聞くことがあった。

彼女は処女ではあるものの、いわゆるキスフレ・ハグフレだった時期があったようだった。

ぶっちゃけ彼女が処女だから恋愛するかどうか考えていた俺は、「これはやめたほうがいいな」と思った。

気持ち悪いだろうが、これが俺と言う人間である。重度の処女厨で、焼きもち焼きの女々しい生き物なのだ。

 

同時に、キスフレの話を聞いてショックを受けている自分に気がついてしまった。

やばいと咄嗟に思った。

だが手遅れだった。

俺は孤独を埋めてくれる彼女に恋していた。

 

返事をしようと俺は思った。

彼女が誰かのキスフレだったのは苦しい。

それでもいいじゃんと。

過去の話じゃんと。

処女だからいいじゃんと思った。

まあ挿入以外の行為を俺に許してる時点でちょっと貞操観念に不安はあるけど。

ちょっとじゃなくてかなりだけど。

 

今度会ったら「付き合おう」と言おうと思った。

 

その彼女は今日、男とふたりでディズニーランドに行くという。

 

台風が来る前日にそれをバスの中で聞いた俺は、冷静になろうと努めた。過去の失敗がもたらしてくれた賜物だ。

冷静になろうとしている間にも、スマホはラインを受信し続けた。

「違うの!」

「ディズニーともだちなの!」

なるほど、と俺は台風に備えて買い占めが行われた菓子パンコーナーを見ていた。

なるほど、なるほど。そういう文化があるのですね。

男とふたりでディズニー。

そうですか。

俺は夕食を部屋で食べ終え、何度か呼吸し、何度もメンヘラ気味になるラインの文面を消して、「ごめん買い物してた笑」と送った。

 

表面上を取り繕えたのは成長なので褒めて欲しい。

だが根本的な部分はまだ変わってない。だから苦しい。いま、苦しい。

いま、彼女は男とふたりでディズニーにいる。

ラインは昨日俺が送った部分で止まっていて、既読はついていて、彼女からの返信はない。

 

不安になっている。

この不安は俺が「そういう人間」だからだろうか。

男とディズニーに行くのも、俺が「そういう人間」だからか?

本音は「男と親しくするなよ!!」だ。これは俺が「そういう人間」だからだ。

 

でも本当にそうなのか?

本当は止める権利があって、「男と親しくするな!」と言ってもよかったのか?

 

一般的な尺度が欲しかった。

ここからが普通は浮気! それは相手が悪いです! みたいな。

あったら俺はそれに従うのに。

ググったら「浮気の境界に一般的な基準はありません」とか書かれていてインターネットを破壊してしまった。なにが集合知だよ。くそがよ。

 

結局。

それでも、一般的であってもなくても、俺は苦しむのだろうと思った。

ディズニー男に苦しみ、キスフレに苦しみ、彼女とつながる男たちに苦しむ。

容易には変えられない部分に俺は苦しむのだ。

 

だからせめて、それを表に出さないようにしようと、俺は決意した。

物わかりがよく、束縛しない男を演じ切るのだ。

そのための捌け口が、このはてブだ。

 

今回はディズニーと戦うためにこれを書いた。

しかし今後は、特に大きな出来事がなくても書いていくだろう。

つらいと感じたその瞬間に書いているだろう。

 

俺が「束縛しない一般的な男」になるために、どうか今後ともよろしくお願いします。